Nekotamibnneko

2017年3月18日土曜日

【第一章:マレビト・スズと風の国 十、十一】他。




廃材などで、ウッドバーニングの練習中。


 まだどんな木材で何が出来るかを試してみてる感じですが。(^ェ^);


絵具で絵を描いている時間はないけれど、
(準備とか、一度出したら乾いたり腐る前に描きあげなきゃなので)

ウッドバーニングなら道具の準備はほとんどなくても出来るので、
作品と言える物が出来たら、アートメーターさんなどで販売するかもです。(^ェ^);





さて、Takaくんの体調はどうですか?(^ェ^);

あんまりゆっくり休む暇もない毎日だと思うので、
本当に無理だけはしないでくださいね!!

頑張ってる姿もカッコよくて好きだけど!!(TェT)♥。+.。゚:;。+


あ、先日のToruさんとの絡みの凄い角度の写真が素敵でした!
セクシー!!Σd(ゝω・o)♥。+.。゚:;。+


そういえばこないだRyotaくんが深夜に更新したとき、
半分寝ぼけながら枕元にアイパッドを広げたら、
ちょうどメウが帰ってきて超ゴロゴロ言いながら画面を踏みました。

モミモミモードで。そしたら勝手に画面が切り替って焦りました。笑
液晶に傷がつかなくて良かった。(^ェ^)


そんな今日と明日は兵庫のワンオクと参加される皆様に愛(*´ω`*)♥。+.。゚:;。+

Tomoyaくんの地元ですね!(๑•ω•́ฅ✧。+.。゚:;。+
“ぐちゃり”の意味が解らないw


今日も頑張ってください!!





以下、 【第一章:マレビト・スズと風の国 十、十一】と裏話となります。








 ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ 


 【第一章:マレビト・スズと風の国 十】

黄色と水色と黄緑色のグラデーションのそれは透明感があり、
石というよりはガラスのようにも見える。中身は水のようだ。

少ないけれどないよりはマシ、ということで
水晶のような蓋をとって口に含むと、意外にも
溢れるように水が出てきて、ごくごくと飲める。
驚いて口から離して見てみると、
ビンの中の水はまったく減っていないようだった。

「これ何ですか?!」

「それはね、『無限水筒』。
雷水石と沢水石と乾石なんかが組み合わさってできてるらしいよ。
無限って言ってもまあ、何ヶ月か分の飲み水が入るだけだけど。
でも旅にはとっても便利でしょ?」

「便利なんてもんじゃないと思います」
もしこれが地球に持ち込めたら、
砂漠の緑化とかに役立つんじゃないだろうか。

「まあそんな感じで、いろいろ便利なものがあるんだよ。
ちなみにさっき君が食べたフートの実は、タンパク質だけなら
あれ一粒で五日分は摂れるはずだから、食べすぎには気をつけてね」

だからそういうことは先に言ってほしいんだけど、
と進一郎は思ったが、今回はミントタブレットの件で
おあいこなので、まあ良しとした。

「さて、それじゃそんな旅人一年生のスズキ君にぴったりな、
ネコタミ旅パックを進呈します!」

いつの間にかギンコは濃い緑色の、
中くらいのウエストポーチのような
バッグを進一郎の目の前に掲げていた。
ひょっとしたらさっき部屋の隅にうずくまっていた時に
棚から出していたのかもしれない。
仮面もいつの間にかとっている。

「じゃあこれも中身を確認しよう! 全部出してみてくれるかな?」

手渡されたバッグから一通り取り出してみると、
先ほどの無限水筒とフートの実らしいもの、
他にもいくつかの種類の違う実や錠剤の入った小ビン、
それからギンコも持っていた弦のような丸まった紐のようなもの、
キャンディの包み紙のような、大きさと色の違う
四角いフィルムのようなものが数枚、マタタビボムが3個、
使い捨てカイロのようなものが数枚。

ナイフと爪ヤスリが一体になったような物と筆記用具、
お金である山沢石、そして形は同じドーナツ型だが、
色合いが緑と青の組み合わせの石、
そして『調爻師の基礎・八卦石の基本』
というポケットミニ図鑑のような本などが入っていた。

「このギターの弦みたいなのとフィルムっぽいのは、
水につけてしばらくすると大きくなります。
ロープや防寒・防水の布やテントになるから、
使わないときは極力水に濡らさないように気をつけてね。

マタタビボムは、まあいざこざ自体ほとんどないから
使わないと思うけど、もしネコタミたちのケンカや何かに
巻き込まれそうになった時とかに、地面とか硬いところに
投げつけると爆発して、マタタビ粉末とか色んな植物や
石なんかの混ざった気持ちをハッピーにさせる物質が出てきて、
だいたいみんな楽しく仲良しになるので一件落着となります。

ひとまずその場から逃げたい時なんかにも使えるけど、
緊急用なのでこれもむやみやたらに使わないでね」

「このカイロみたいなのは?」

「水沢《すいたく》カイロだね。
水沢石……節石《せっせき》を使った温度調節カイロだから、
服の内側に貼り付けたりして使ってください」

普通の物もあるんだなぁ、と進一郎は逆に感心した。

「緑と濃い青の石があるんですけど……
これも山沢石みたいなお金なんですか?」

「ああ、これは山天石。“大畜”の石でね、
山沢石が現金なら、山天石はキャッシュカードってとこかな。
詳しくは上で実際に見てもらったほうが早いかも。
それも大事なものだから、失くさないように。
風雷石と一緒に大切にしてね」

こう言うと、ギンコは伸びをしながら辺りを軽く見回した。

「さてと……あと準備するのは服くらいかな。
……せっかくだからボクのお店に行こうか!」

ギンコはそう言いながら早くも部屋を出て行こうとしていた。
進一郎はバッグに物を詰め直しながら慌てて後を追って行った。


「この階の階段の左のほう、
あっちは村の集会場とか避難所にもなってます。
このミオの祠は、村の貯蔵庫でもあり、避難所でもあり、
旅人たちにとっては無料の宿泊所でもあり。あと温泉施設。
それから――」

階段を昇りながらギンコは話し続けている。

「『山天銀行』のATMのような物でもあります」

階段を上りきったところで、こう言った。
そこは良く神社やお寺などで見る、あの独特の装飾の施された
色鮮やかな欄干や羽目板で囲まれた場所だった。

その上下四方、八メートルほどの正方形の建物内部の中心には、
二抱えもある石臼のような物が設置されている。

石の中心部は陰陽マークが金と紫で描かれた台座になっていた。
そこから八つ、歯車のように突起が出ている。
突起にはいくつかの文字の書かれたスイッチのようなものがあり、
その中心には勾玉形や円形の窪みが掘られている。
中央の石に歩み寄りながらギンコが説明した。

「捧げ物がある時は、この窪みに山天石をセットして、
台座の上に捧げたい物を置くの。これを太一盤と言います。
そうすると自動的に捧げ物が倉庫に運ばれると同時に、
山天石に捧げ物分の徳……まあ価値というか、
お金《ニャード》に換算されて記録されるわけ。
だからお店なんかで、山天石を使ってもお買い物ができるよ。
ちなみに徳の蓄積がいっぱいになるほど色は濃くなります」

「お金そのもののチャージはできないんですか?」
進一郎が聞いた。

「もちろん山沢石もここに置いて山天石にチャージできるけど、
その場合は捧げ物というよりも自分のお金を入金した感じなので、
サプライズな良いこととして返ってくる度合いは低いです。
純粋に寄付したい場合は祠の前にある、
『山天鼎《さんてんてい》』に入れてください」

ギンコがガイドらしく外に向かって
開いている入り口のほうを手で示した。
扉の外にはお寺などで線香が焚かれている壺のようなものがあった。

近寄って見てみると、金で出来ていると思われるそれには、
中央に陰陽マーク、右側に龍、左側に虎の文様と
雲や炎や水などの自然を造形化したような模様が見える。
左右には虎と龍それぞれが立体的に表現された
飾り取っ手が付いている。

高さ六十センチほどで一抱えはあるそれは、三本の足で支えられ、
中には半分ほどまで山沢石が入っていた。

「こっちの世界で言う、お賽銭箱みたいな物ですか?」
違うのは、誰でも持ち出せるように蓋のような物がない事か。

そうだね、とギンコはにっこりと笑った。
そして軽やかに祠の石段を降りて手招きした。
降りた先には、龍虎の口から水の流れる手水と石畳の通路、
そして緑豊かな大きな木に囲まれた参道が続いている。

涼やかな風が二人に向かって吹き付けてきた。
日の光の下で見るギンコの長い髪は風に揺れて白銀色に輝いている。

新鮮な空気を胸に吸い込みながら、進一郎も石段を降りていった。

そうしてふと、
「自分の足でこの世界の外に出るのは、これが始めてなんだ」
と気が付いた。

どこか神聖な気持ちを感じながら、進一郎は一歩を踏み出した。



☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ 




【第一章:マレビト・スズと風の国 十一】

木漏れ日の落ちる参道を少し進むと、黄金色の鳥居が見えてきた。

「あれは辰居《たっきょ》、日本でいうところの鳥居だね。
こっちでは龍の神様が休む場所とされています」
ギンコが右手で示しながら紹介した。

キラキラと日の光が反射するそれは、
全体的に細かく美しい装飾が施されている。
ギンコは気持ち良さそうに伸びをし、
進一郎は辰居を見上げながら通り抜けた。

「あの……ずっと聞きたかったんですけど、
この世界ってどうしてこんなにお金が余ってる……
っていうか、豊かなんですか?
自由にお金や物を持ってっても良いんなら、
みんな働かなくなっちゃいませんか?」

進一郎の問いに、ギンコは踊るように体全体で振り向いて、
少し驚いたように肩をすくめてこう答えた。

「うーん……そうだなぁ……何から説明しよう……。

まず第一に、ネコウ……地球でいうところの人口ね。
それが少ない上に、気候も安定、
自然災害もほぼないし、自然が豊か。
ネコタミは狩りや農耕・栽培で自給自足が基本だから。
自然が豊かである限り、まず食料に困ることはないの。

むしろ草食動物の増えすぎによる自然バランス崩壊のほうを
管理するのに気を使う感じなんだよね。

これは祖先が肉食獣であるという
宿命に生まれた使命と誇りというか。
『狩らざるもの喰うべからず』って言葉もあるくらいで。

まあ本能的なものも含めて、働かされているっていうよりは
生命に対する最低限の礼儀というか……。
うん、これもそのうちスズキくんが実際に体験すれば解ると思う。

施された物だけでも生きてはいけるけど、
それはほとんどのネコタミが選ばない。
この世界の富や豊かさは、どれだけ自分以外の存在を
幸せにできたかのバロメーターでもあるし。
自分から与えもせずに、もらってばっかりじゃ、
人生に良い事なんかほとんど起きないしね。

第二に、……ヒント。
今朝、君が教科書で読んだ中にも答えは含まれています! 何だ?」

人差し指を一本立てて、ニコニコと笑っている。
たまにクルクルと回りながら後ろ向きで歩いているのだが、
道を確かめる様子もなく、動きは相変わらず軽やかだ。

突然クイズ形式になったのでうろたえたが、
答えられないのは悔しいので、とりあえず
今日読んだ教科書の内容を頭の中で反芻してみた。

とはいえ、実際にしっかりと読んだ部分は漠然とした
子供向けの神話のようなものだけだったはずだ。
あの中に何かヒントのようなものが隠されていただろうか?

「……“龍虎相うつことのない悠久の平和を願って”……
悠久の平和……平和の条件……戦争……戦争がない、ですか?」

ギンコは今度は本当に驚いたらしく、目を丸くした。
「君、本当に頭が良いんだねぇ!」
と立ち止まってにっこりと微笑んだ。

「ボクなんかミズサキ検定試験のためだけに覚えた事なんか、
もうほとんど忘れちゃったよ!
人生ハッタリと度胸と勘の良ささえあれば、
なんとかなるっていうのがボクの主義……」

進一郎の「本当にこの人で大丈夫だろうか?」
という視線を受けてギンコは言い直した。

「いや、うん。そう! その通り!
この世界には戦争がない。だから軍事費、防衛費が必要ない。
地球でも実際にやってみたら良いのにね。たぶんお金余るのに」

進一郎は苦笑したが、頭の中では
「今の地球ではそんな事は不可能だ」と思っていた。

だが心のどこかでは、本来はそれこそが正しい、
自然な道なんじゃないかという思いが芽生えていた。
みんなが平和や豊かさを求めているはずなのに、
あちらの世界では何かが歪められている。

だがそれが何なのか、何をどうすれば正せるのかは、
まったく想像も出来なかった。

「でも本当に、そこに気付けるなんてすごいよ。
あっちの世界なんて、フィルターだらけなのに」

「え?」

「んん、まあ、おいおいね。
ちなみに、ネコウが少ない、というか適正なのは、
無駄な性欲が無いからだと思うよ。
年がら年中発情期ってわけでもないし、
生まれた子ネコはこの世界全体の宝物だって扱いだし。
人間社会みたいに無責任に性欲をあおって
お金を稼ぐシステムもないし。
って、これはボクの自論だけど」

進一郎は一瞬、口を開けて固まったが、頭の中で同時に判断した。

仮にここが女子のいない教室で、
男子だけでバカ騒ぎをしているような場合ならば
礼儀として盛り上げる一言も言わなければならないだろうが、
たぶんこの人はけっこうエグイこともさらりと言うタイプだ。
ここは、以後の掛け合いが楽になるように、流したほうが無難だ、と。

「はあ」
赤くなってうつむいて、それだけ返事をした。

「そもそも、『結婚して子供を作らなきゃ人間失格、
そうでなきゃ自分も幸せじゃないし他人からも幸せだと思われない』、
みたいなバカな偏見や刷り込みもないしね。
恋愛や結婚についても便利なアイテムがあるけど、
まあそれもおいおいね。いろいろ実際に見てもらったり、
体験してもらったほうが早いと思うから。
お、そんな愛の結晶の子ネコたちだね!」

そう言いながら、ギンコは仮面をかぶった。
目の前には大きな木や植物に囲まれた、
自然公園のような場所が拡がっていた。



☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ 




裏話……。

最初に書いたとき、人口とかその辺の話は、
もうちょっと複雑な事を書いていたんですが、
読み直した時に自分でも良く解らない気がしたので、単純化しました。(^ェ^);

ピクシブの方にだけは最初のパターンが残ってるかな?
変えただろうか? ちょっと記憶が曖昧。(-ェ-);



今回再チェックして修正するのに『人口 適正』で検索してみたところ、




という、ざっくり言うとそうそう、と共感できる記事を書いていらっしゃる方が
いらっしゃったので、リンクをはっておきます。(^ェ^)


小説全体を通しても言いたい事なんですが、

親がどうとか育った国や宗教、環境がどうとかじゃなくて、
みんなが 『生まれてきたことを喜べる世界』にならないと、
世界全体が良くなる事ってないんじゃないかと思ってて。

もっと根本的で根源的なところを直さないと、
もう人間ってダメなところに来ているような気がして。



だから、正直『大嘘』であっても、『現実』って名を借りて、
暴力的な事を肯定する生き方をするよりは、
理想にすぎなかろうと出来るだけ綺麗に生きていきたい。(๑•ω•́ฅ✧

というか、そうでなきゃ『人間』が『人間』でいる意味がないと思うから。



そのための一つの考え方が、私にとっての
“スピリチュアル”なんですよね。(^ェ^);

心が変われば行動が変わるから。

私の『野望』は『世界平和』なので!!(๑•ω•́ฅ✧


良かったら、応援してください!Σd(ゝω・o)♥。+.。゚:;。+







Nekotamibnneko