Nekotamibnneko

2017年7月3日月曜日

【第二章:スズと風のサーカス団シルフ 二十・二十一】その他都知事選の話とか。




東京都知事選。

ありがとうございます、きちんと投票に参加してくださった東京都民の皆様!!

日本の平和もまだ大丈夫なのかもしれないって希望が持てました!
(TェT)♥。+.。゚:;。+



それにしてもさっきニュースで知りましたが、
秋葉原であんな事が起こっていたとは……。Σ(o゚ェ゚)

なかなか男気あるではないですか、秋葉原の人たちwΣd(ゝω・o)☆。+.。゚:;。+



今回の事で、自民党と安倍内閣も本当に反省してほしいなぁ……。

国民の意見を無視して法案を無理やり通すような真似は、
本当に今後いっさいやめてほしい。

だってあの人たちのいう『国』って、『国民』じゃなくて、
自分たちの政権や内閣のことなんだもの。

守りたいのも、国民の命じゃなくて政権なんだもの。


自分たちの立場だけ守って、 国民に血を流させるなんて絶対におかしい。
いいかげん、卑怯な手で誤魔化そうとするのはやめてほしい。



そしてできればこのままの流れで小池都知事が国政に参加して、
近い将来、日本初の女性の総理大臣に……♪(^ェ^)w

器がね、総理大臣にふさわしい器の人が、そうそういないんだもの。


小池さんなら、もし万が一日本が戦争に巻き込まれそうな状況になっても、
なんとかうまくバランスを取って舵取りしてくれそうなので。

極論的な左翼でも右翼でもなく、現実的な賢い方法をとって
国民を守れる人が総理大臣になってほしいんですよね。

今の自民にはそういう人がいなそうだから。(-ェ-);




あ、築地移転問題も、都民ファーストの会の案が一番良いと思います。

(どうでもいいけど心の中で↑『トミファ』と略して呼んでいる。)


個人的な理想としては、『食と安全のワンダーランド』にしてほしいのです。


ああいう海沿いの地域にシェルター状の施設が作れるのかは
解らないんですが(地震や津波が来た時にどうなるかなどを含めて)、

もし可能であるなら、現築地市場の地下を大改造して、
内部で野菜の光水耕栽培等もできる、
巨大な地下シェルターの施設を作ったりするのはどうでしょう?(^ェ^)


家族単位で住めるように、いくつかの区画は販売とレンタル。
そして使用していない時は一部を展示施設やホテルにする。

例えば現在タワーマンションに住んでいるような、お金はあるけど、
いざという時避難場所に困るという人にシェルターハウスを購入してもらうとか、
期間を区切ってレンタルしたりすれば財源にもなるし!

販売タイプの内装や機能は購入者が自由に選べるようにすれば、
高級感が出て話題性も出てくるだろうし。

たまに遊びに行ける別荘みたいな感じで買ってもらうとか。 

海外には実際、プール付きの地下の世界の
高級リゾート施設みたいなシェルターがあるんですよ!!


見学型のテーマパークのようになっていれば、購入者以外の方も
実際にシェルターがどんなものかも体験できるし、入場料もいただけます♪


もちろん一番の目的は国民の安全と食を確保できる施設にすることなので、
最も広い区画は個人に販売などせず、本当に何かあった時に、
誰でも自由に避難できてしばらくの間暮らせる場所にするべきですが。


というわけで、地上は食の築地市場、地下は安全のシェルター施設という、
いざという時に食料も得やすく、国民の安全も守れる場所にしてほしいのです。

その築地の工事期間中は豊洲で市場を開いていただくという事で。


現実問題としてそんな工事が可能ならば、
私ならそうしてみたい、というお話でした。(^ェ^)


築地が無理でも、オリンピック会場になるアリーナ会場とかに
避難施設にもなる機能を作って欲しいなぁ。



 以下、 【第二章:スズと風のサーカス団シルフ 二十・二十一】となります。






☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ 



 【第二章:スズと風のサーカス団シルフ 二十】



サーカステントの下には、温泉施設があった。

全体的にタオ家族が住みつつ管理する『ミオの祠』と
似たような構造で、男性用は青の龍のマーク、
女性用はオレンジ色の虎のマークの描かれた
仕切り布がその入り口にかけられている。

住居兼移動車であるハチワレ・ブラック号の一階にも
それなりの大きさの風呂場はあるらしいのだが、公演後にはみんな、
この広い大浴場で汗と汚れを流すのが慣例なのだという。

ギンコと共に、いったん下着などの着替えを車へ取りに行き、
再び戻ってきた頃にはシルフの男性陣はお湯に浸かっていた。
メインメンバーだけではなく、裏方などで働く者たちも
次々に入浴してくるので、風呂場はそれなりに混んでいる。

全身が体毛に覆われているネコタミたちの体に比べ、服を脱いだ
スズにとっては、自分だけが裸のようで何だか気恥ずかしい。

しかも一見、優男に見えるギンコだが、
彼は天使のように見える顔に似合わずというか、
まさに裸体の天使像のようにというか、とにかく
しっかりとした太さがありつつも完全に引き締まった筋肉の、
男性から見ても美しい肉体をしていた。

ある程度の運動をしていたとはいえ、一般的な中学三年生と
そう変わらない体型のスズは、ますます自分の体を隠したくなった。

「……そういえば、毛皮があるのに、
何でこっちの人たちはみんな、服を着ているんですか?」

シルフの入団審査に合格した祝福に満ちた誇らしげな気持ちが、
早くもちょっとみじめな気分に変わってきたので、
体を洗いながらスズは聞いてみた。

「ん? ああ、狩りの時に獣の牙から守るように作られた
『狩衣』が元だったとかじゃなかったかな。そうだよねブラッド?」
隣で頭を洗いながらギンコが答える。

「そうですね、もちろん今我々が普段着ている服は、
目的に合わせて素材などの特徴も違いますが……。

元々は、狩りの時に獣の角や牙や爪が滑るように、
そして万が一、それらが通ってしまった時には、
その部分だけがすぐに離れるような特殊な素材で防具を作ろう、
というのがこの世界の衣服の始まりだったと言われていますね」

ブラッドがお湯に浸かりながら返事をする。
猫がお風呂に入っているようで何だか可愛らしい。

ただ彼らも服を着ている時の見た目よりもしっかりとした
筋肉を持っているようで、地球のペットの犬猫のように
濡れた途端に毛のボリュームがダウンして、
ぺったりと貧弱に見えるという事はなかった。

毛が生えていようがなかろうが、やはりこの中で
最も肉体的に頼りないのはスズのようだ。

そんな温泉猿ならぬ温泉猫姿のブラッドの傍を、
器用に耳を閉じたリンクが背泳ぎで泳いでいる。
意外にもネコタミは皆、風呂が嫌いではないらしいが、
子供らしくただ風呂に入るのは飽きてしまったらしい。

「あっちの世界の人間の衣服と比べたら、
服を着ないで歩いてもそれで捕まる、とかはないんだけど。
まあたぶん、全裸だとビジネスマンの人がスーツを着るのを忘れて
会社に来ちゃったくらいの恥ずかしさはあると思うよ、たぶんね。
ああ、日本の学生さんだったら、うっかり着替えるのを忘れて、
学校に制服じゃなくてパジャマでそのまま登校しちゃった、とか」
髪を洗い終えたギンコが付け加えた。


「では私たちはそろそろ行くことにするよ。
スズ君、今夜は素晴らしい歌をありがとう、本当に見事だった」
狐のネコタミのエッジがお湯から立ち上がり、声をかける。

続いてマルコやオウコも浴槽から上がり始めた。
入れ替わりに湯船に入るスズやギンコに場所を開けてくれたらしい。
皆口々にスズに今日の出来事を褒める言葉をかけて出て行った。

先程までスイスイと泳いでいたリンクも、
さすがにのぼせてきたらしく、スズの体をよく観察したいのと、
もう風呂から上がりたいとの葛藤で迷っていたが、
「また今度一緒に入って遊ぶにゃ!」
と言って脱衣所の方に走っていった。

そうしてしばらくは湯船の中でゆっくりしていたスズだったが、
新たな入浴客が増えてくるにつれ、全身に毛の生えていないスズを
興味深く見つめる視線を感じるようになり、どうにも落ち着いて
お湯を楽しめる状態ではなくなったので、早々に上がることにした。

とりあえずいつものバッグに着替えを詰め込んできたスズだったが、
寝巻に着替えた後ふと、今日着ていた変な汗びっしょりの
ワイシャツなどはどこで洗ったら良いのだろう、と気が付いた。
そして、自宅で洗濯機に放り込む前にいつもするように
ポケットから物を取り出して、ようやく大事な事を思い出した。

胸ポケットに入れていた、携帯電話と生徒手帳。
生徒手帳には、フーカの物だと思われる写真が挟まれたままだ。

「ぎぎぎ、ギンコさん!!
忘れてた、オレ、これ拾ったんです、たぶんフーカの! 写真!」
浴槽に見えるように脱衣所から生徒手帳を開いて振ると、ギンコと
ブラッドは目を凝らしてそれを見つめ、一瞬驚いたようだが、
二人ともすぐに何かに納得した顔になった。

そしてギンコは
「じゃあ、フーカに渡してきてよ、ボクまだ入ってたいし」
と笑顔で湯船から手を振った。

「だってオレ、嫌われてるし!
こんな長い時間黙って持ってたのバレたら殺される……」

「君が拾ったということは、君が渡すべきなんだと思うよ」
ブラッドが微笑みながら、だが有無を言わさぬ口調で言った。
この二人を哀れみで説得するのは無理そうだ。

絶望的な気分でふらふらと踵を返すと、
後ろからギンコの声がかかった。
「風雷石は、人を探すときにも使えるからね!」

これで「今どこにいるか解らない」という逃げの選択肢も消えた。
やや重い気分で棚に置いていた風雷石を首にかけると、
さっそく石は求めるものを示すように黄色く光りだした。

だがその光は、スズのバッグの中、
彼の電子辞書に向って光を伸ばしていた。




☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ 




【第二章:スズと風のサーカス団シルフ 二十一】

淡く黄色い光が導くように掌から零れ落ちている。
スズはフーカの姿を思い浮かべ続ける。

その姿に集中すればするほど、風雷石の光ははっきりと形を作り、
長く伸びるように一定の方向を指し示してくれた。

フーカがまだ入浴中だったらどうしようという混乱した気持ちと、
それならすぐに顔を合わせずにすむという期待もあったが、
光はサーカステントのステージの方にスズを導いてゆく。

「……どうしよう……引っ掛ってたの、この辺だったのに……
なんでどこにも無いのよぉ……」

ステージ上は小さなライトで控えめに照らされていたが、
人気のない夜の舞台はどこか不安を増す空気を帯びており、
彼女の沈痛な思いを伝染させている。

ステージ後方中央、胸の高さ程にまで低く降ろされた
セーフティネットの下では、オレンジ色の柔らかな
ランプの光によって作られた影が揺らめき、
小さな涙声はその影の持ち主から発せられていた。

膝をつき、手で床を撫でるようにして這って移動する彼女を
驚かさないよう、スズはできるだけそっと近づいた。

「あの……ちょっと良い?」
極力柔らかな声で言ったつもりだったが、
後ろから声をかけられた少女は跳ね上がるように
ビクリと立ち上がり、ネットに頭をぶつけた。

「……な……何よっ!?」
フーカは長い夜着の袖で顔を隠すようにして涙を拭きながら
振り返った。泣いていたことを悟られまいとしたようだが、
震える声は誤魔化せなかった。

寝巻の上に羽織られた薄手の白い着物のようなその夜着は、
袖も裾もゆったりとした優雅なデザインで、
ステージ衣装の時とはまた違う魅力を彼女から引き出していた。
鼻も目も赤く、気丈にスズを睨みつけてはいるが、
そんな表情でもやはり彼女は美しい。

一瞬見惚れて自分が何をすべきか忘れかけたが、
(フーカも泣いたりするんだ)と、なぜかスズの方が照れつつも、
気を取り直して生徒手帳から写真を取り出した。

「いやこれ……拾ったんだけど……フーカのかなって」
「……返して!!」
全て言い終わる前に、もの凄い速さで
スズの手から写真は取り戻された。

フーカは写真を両手でそっと包み込んで、
それに命が宿っているかのように、守るようにして見つめた。

「……良かった……これが無くなったらあたし、
何にも繋がりなくなっちゃう……」

そしてそう言って、ポロポロと大粒の涙をこぼし始めた。

写真を包んだ掌をもう一方の手で固く握りしめ、
歯を食いしばって時々しゃくりあげるようにしながら、
ほとんど声を出さずに泣いている。
ただ涙だけが幾筋も頬を伝って流れ落ちていった。

(この子はどれだけ長い間、
こうやって声をあげずに泣いてきたんだろう)

自分にも覚えがある。誰にも話すことすらできない痛みは、
いつかそれが和らぐまで、そうして耐えるしかないのだ。

立ち去ることも、声をかけることもできず、
スズはフーカの傍に立ち尽くしていた。






☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ 








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